産地紹介(精肉(イベリコ豚/白豚、牛、羊、その他))
イベリコ豚肉 (Raza porcina IBÉRICO)
イベリア半島の南西部が原産のイベリコ豚は、何世紀にもわたって進化してきました。そのため現在では、幾つもの遺伝系統が存在しています。その独特な性質(生物形態学、遺伝学、食性等)により、筋肉や皮膚の下に脂肪を浸潤させて貯えます。この特徴こそが世界中で認められる特有の質を生み出しています。スペイン南西部の「デエサ」(dehesa)として知られている地中海森林地帯で、なかば自由に放牧され、歩き回りながら好物のトキワガシやコルク樫のドングリ、またそこに育つ下草を餌にしています。
風味の特徴
イベリコ豚の肉は、筋肉に脂肪が浸潤した脂肪交雑があるので、食感、風味ともに非常に優れています。
その他の特徴
イベリコ豚の肉それぞれの部位ごとに、様々な大きさ、形状、サシの入り方が楽しめます。
飼養および肉の部位
現在スペインで施行されている「イベリコ豚の精肉、ハモン、パレタ、ロモの品質規定」という勅令により、品質基準が定められており、解体されスペイン国内で販売される精肉、ハモン、パレタ、ロモは、血統や給餌のしかたによって、販売の際に使用できる名称が指定されています。
この基準に基づき、原料となる豚には2つの品種が定められています
・イベリコ・プーロ(Ibérico Puro):両親ともに血統登録書に登録されている純血種。
・イベリコ(Ibérico):父豚・母豚がイベリコ種、あるいは母豚がイベリコ・プーロ種である。(最低でも50%の血統)
屠畜の直前期間における豚の給餌の違いで、さらに3つの指定があります
・デ・ベジョータ: デエサで放牧され、ベジョータ(どんぐり)、牧草、その他の自生する植物などを餌として、規定分体重を増やした豚。
・デ・セボ・デ・カンポ: デエサやその他の野原に放牧し、ベジョータ(どんぐり)、牧草、自生する植物を自由に食べさせるほかに、穀類・豆類の補完飼料を与えて飼養された豚。
・デ・セボ: 穀物・豆類を原料とした飼料を与えられ、農場で集約的に飼育された豚。
豚肉としての主な部位:
カスタニュエラ(Castañuela)
カスタニェッタとも呼ばれるカスタニュエラとは顎にある唾液腺です。
一頭につき2つあります(他の唾液腺と甲状腺もありますが、これらは食用に用いません)。この部位が珍重される理由は、胸腺に似た食感と、それなりの脂肪にあります。 豚が飼育されている地域では、古くから高い評価を受けているますが、サイズが小さく、見つけるのは困難です。
重さ:50-60 g、最小の部位 (後述のソルプレサ程度)、珍品。
場所:豚の顎の唾液腺。
カリジェーラ(Carrillera)
カリジェーラは下あごの一部で、顎を動かしたり咀嚼したりするために使われる筋肉です。筋繊維が絡み合っている部位で独特な食感をもちます。また豚のなかで最も脂肪分が少ない部位です。
重さ:100 g
場所:頭部。下あごをつなぐ筋肉。
ラガルト(Lagarto)
これは、肋骨と背の脊柱骨の間にある細長い形状の肉です。 とてもジューシーでロースに似た食味が特徴ですが、ロースよりも小さく、軽量な部位です。
重さ:150 gから250 g
場所:肋骨と背骨の脊椎の間。
背ロース(Lomo)
ロモはイベリコ豚の肉の中で高い評価を受けている部位の1つです。 背骨からつながる、大きくて長い筋肉です。
ジューシーで、口当たりよく、風味豊かなことが特徴です。脂肪分の多い部位ですが、決して過剰ではありません。従来、ロモは塩漬け乾燥された肉製品に加工されていましたが(ロモ・エンブチャードやカニャ・デ・ロモ)、精肉としても素晴らしいものです。スペインでは、シンタ・デ・ロモという名で知られ、非常に人気があります。
重さ:1〜1.5キロ
位置:背骨につながる筋肉。
トップロイン(Pluma)
プルマと呼ばれるトップロインは背ロースの後ろにある背中につながる部位で、背ロースよりも小ぶりですが同じような食味を持っています。
プルマとは羽や翼をさす言葉で、平らな三角形の形状からこの名で呼ばれています。非常に美味で、肉と脂肪のバランスが完璧さが際立つ部位です。伝統的にはロモと一緒にロモ・エンブチャードに加工されていましたが、最近では精肉としても食べられるようになりました。
重さ:80〜100 g
位置:背ロースの後ろにある背につながる部位。
肩ロース(Presa)
プレサは背の前側で、肩肉の上部の部位です。脂肪が霜降り状に混ざっていて、イベリコ豚の肉で最も美味しい部分の一つです。プレサまたはプレサ・デ・パレタという名で知られるこの部位は、肉と脂肪が交互に筋状に重なっており、独特の霜降りを作り出しています。
重さ:約500 g
場所:背中の前側部分。肩の上部。
豚トロ(Secreto)
セクレトは、背の脂肪の前面に、後ろから扇形に広がっている部位です。非常に細い筋肉でできた平たく薄い形状をしており、垂直方向にスライスすると、この脂肪の部位はほぼ見えません。しかし、水平にスライスすると、この隠れた部位が現れるため、「セクレト(秘密)」と呼ばれています。あらゆる部位の中で、この部位が最も脂肪質であり、かつ風味豊かでもあります。プレサとともに、近年、人気が上がっている部位の一つです。
他に、セクレト・デ・パパダ(胸垂の部分)とセクレト・デ・バリガ(腹部の脂肪)という、類似の名前と外観また脂肪構造を持つ部位がありますが、これらはここで紹介したセクレトほど柔らかくありません。
ヒレ肉(Solomillo)
ソロミージョと呼ばれるひれ肉は、従来より精肉として消費する部位として最も人気があります。最近になって他の部位の人気が高まり、評価を分けるようになりました。背中の内部、腰の下ほどにあります。
重さ:300 g
位置:腰椎下部の部位で、背の内部。
ソルプレッサ(Sorpresa)
しばしは第三のカリジェーラとも呼ばれます。頭部の眼窩、眼球の裏側にあります。二つの小さな楕円形のボール形をした肉の塊で、非常に繊維質であるためシチューなどの煮込み料理に使われます。
重さ:40 g
場所:頭部、眼球の裏側。
地形(土地の起伏)および気候
デエサを生み出す生態系はスペインの中央部から南西地域に広がっており、カスティーリャ・イ・レオン州、エストレマドゥーラ州、カスティーリャ・ラ・マンチャ州、アンダルシア州を含みます。デエサの気候は、地中海性気候に属する内陸の典型といえる特色をもちます。冬と夏の気温差がはっきりしており、冬と春には降水量があります。
一般的に地中海性気候に属する土壌は、灰色がかった茶色のいわゆる地中海タイプ、または石灰岩質であり、肥沃ではなくどちらかというと痩せた土壌です。基本的にデエサは、このような痩せ気味の土壌に生育する灌木の茂みが作り出す環境です。
乳飲み子豚 (Cochinillo)
コチニージョ(Cochinillo)の名称で知られる子豚は、性別に関係なく、3週齢以下の4.5キロの理想体重(それを超えても6キロ以下)でと畜されます。それゆえ他に類をみない特別な柔らかさときめ細かい肉質、母豚の母乳だけで育っているミルキーな味わいが特徴です。
風味の特徴
肉を触ってみると、硬くはないが、ソフトではない。ところが調理すると、と畜週齢が浅いことと、それまでに乳離れしていないことで、信じられないほどの柔らかい肉質となります。
その他の特徴
皮膚は汚れのない白、あるいはクリーム色や艶のある白色をしています。肉はピンク色、パールホワイトまたは淡い赤い色をしています。
飼養および肉
コチニージョとして出荷される子豚は白豚種で、屠畜される最大週齢が3週間であるため母乳だけで育っています。 名高い「子豚の丸焼き(Cochinillo asado)」はセゴビア県とその周辺(カスティーヤ・レオン州)の名物料理です。
バスク産牛肉PGI (Carne de Vacuno del País Vasco PGI)
定義
バスク州で伝統的に飼養されてきた牛の肉で、主な牛の種類はピレネー種(Pirenaica)、 リムジン種(Limusín)、ブラウンスイス種、ブロンド種(Blonda)またはこの種間の交配種ですが、主要な品種はピレネー種とこの種を基にした交配種です。
PGIの対象は「牛肉」であり、子牛の肉、若い牛の肉、成牛の肉、すべてを含みます。
風味の特徴
ピレネー種の牛の肉は鮮やかなピンク色をしており、5〜7日間、安定した色調を保ちます。柔らかく、調理をしてもパサつきにくい肉質です。脂肪の風味と香りが特徴の肉ですが、後口はくどくありません。脂肪交雑の少ない肉です。
その他の特徴
と畜した牛のpH値は6未満でなければなりません。pH値は、長い背側の肉の部位で、と畜から24時間後に測定されます。 部位に分けられたものとその他の内臓を抜いた後の肉は7日間熟成されます。
飼養および肉
牛の健康とそれを決定づける条件に重点をおいた伝統的な方法で飼養されています。主に自然飼料で肥育されており、新鮮な牧草や干草、わらなどが主な飼料ですが、必要な場合には、認められた補完飼料が与えられます。 製品となる肉の品質に影響を与える牛への不要なストレスを極力避けるために、と畜場への輸送には認可登録された車両が使われます。
統制委員会の要件に従って血抜きされ、解体され、風をあて、熟成したあと識別コードがつけられます。
地形(土地の起伏)および気候
バスク地方は山がちな地域ではあるものの、温暖な大西洋気候で、年間降雨量1000ミリメートルを超えます。土壌は石灰質で有機質にとみ、牧草やその他の飼料植物の栽培に適した地域です。
この地方では、1年のかなりの時間を山間部の共有地を利用した伝統的な放牧が行われています。牛は山の斜面や谷を行ったり来たり、ゆったりとした時間を過ごします。天候を味方にして伝統的に行われてきた放牧により、放牧地で生産される牧草は質の高いものです。
また、この伝統的飼養方法は、牛を自然の牧草で肥育する機会のみならず、景観保護と農村環境の維持にも役立っています。
Consejo Regulador de la IGP Carne de Vacuno del País Vasco
Bº de Muntsaratz, 17-A - Torre Muntsaratz
48220 Abadiño (Vizcaya)
Tel: (+34) 946 030 330
Fax: (+34) 946 033 953
euskolabel@euskolabel.net
hazi@hazi.eus
www.euskolabel.net
マンチェガ種の仔羊PGI(Cordero Manchego PGI)
定義
マンチェガ種純血の仔羊。
風味の特徴
非常に柔らかくジューシーな食感。味もマイルドで、気になる匂いがありません。肉には脂肪交雑の始まりのようなサシもみられ、特徴的な心地よい芳香があります。
その他の特徴
屠畜された後の肉の大きさは10キロから14キロ程度。
肉は赤身か、または中程度の脂身があります。ほぼ全身が薄い脂肪の膜で覆われていますが、部分的に層の下の肉が露出している箇所もあります。 脂肪層は臀部、尾のつけ根、背、腎臓のあたりで厚く、脚、肩、僧帽筋の周囲は筋肉質です。
飼養および肉
マンチェガの呼称はラ・マンチャ地方に由来します。この地域の羊の飼育は基本的にマンチェガ種に適している方法で行われ、伝統的に羊から肉と乳が生産され、さらに昔は羊毛の採取が盛んにおこなわれました。(有名なDOPマンチェゴチーズはこの品種のミルクからのみで作られる。)羊は、他に使い道のない痩せた土地や、耕作には向かない場所でも収穫後の刈り株や休閑地、未開墾地、藪などに生える下草からでも採餌することができます。 カスティーリャ・ラ・マンチャの広大な平原に広がる乾燥した農地で伝統的に生産されてきた農作物は、ブドウ、穀物、豆類であり、羊の飼育は、休閑地に生える草や麦やブドウの刈り株を食べさせて、その他の農業を補うものとして行われてきました。
このように広い土地の中を自由に動き回る羊ですが、仔羊が生まれ育つためには羊舎が必要です。仔羊たちは自由に母羊から乳を飲み、イネ科の植物ホワイト・ストローや統制委員会の認可を受けたその他の飼料を与えられて育ちます。最短でも30日の期間は自然哺乳で飼育されます。離乳後の仔羊は引き続きホワイト・ストローや飼料を与えられて肥育されますが、成長促進剤や仕上げ飼料を与えることはいかなる理由であれ認められません。
と畜場に連れてこられた仔羊は、と畜前に最低12時間落ち着かせます。その際、必要に応じで1%の濃度の砂糖水が与えられます。
と畜後の仔羊は、重量(10〜14 kg)、見た目(傷の有無、打撲傷や痣の有無、黄疸などの有無)、形態(スタイルが良い、調和のとれた丸みがかった輪郭)、脂肪(少ないまたは中程度、骨盤から腎臓にかけての脂肪は腎臓を完全に覆っていてはいけない)、そして肉の色(淡いピンクまたはピンク)のそれぞれの基準に従って分類されます。
と畜体は、筋肉の内部の温度が保存と輸送に適した温度に下がるまで風通しの良い場所に置かれます。保管時間が24時間未満の場合は、3〜4℃の冷蔵室に保管し、それより長くなる場合には、温度を1〜3℃に下げて保管します。最長保管期間は6日までです。
地理、起伏、気候
ラ・マンチャ地方は人口密度が低く、広大な平原の中にいくつかの都市が点在しています。主な産業は農業で、特に羊の牧畜に適した地域です。カスティーリャ・ラ・マンチャ州は平野であると考えられていますが、この州の中心部のラ・マンチャ地方は山々が交差する高原台地(メセタ)であり、地域の3分の2は海抜600m以上で、最も低い場所でも200mです。
主要な河川(タホ川、グアディアナ・アルト川、フカル川等)には、非常に複雑に流れ込む支流があり、灌漑に広く使用されています。
気候条件は、農業や大規模な畜産にとって基礎となる要素です。大陸性型の地中海性気候として定義され、昼夜の気温差、また季節ごとに顕著な寒暖差があります。 降雨量は非常に限られており、平均年間降水量は約300ミリメートルです。雨量が少ないだけでなく、降雨は不定期で季節間でばらつきがあります。 夏季には最高気温が35℃を超えることがあります。
Consejo Regulador de la IGP Cordero Manchego
Ctra. de Las Peñas, km 3,200
02049 Albacete
Tel: (+34) 967 224 020
correo@corderomanchego.org
www.corderomanchego.org
アストゥリアス産仔牛PGI (I.G.P. Ternera Asturiana)
定義
スペイン北部アウトリアス州原産の、アステゥリアーナ・デ・ロス・バジェス(以下ロスバジェス)とアストゥリアーナ・デ・ラ・モンターニャ(以下モンターニャ種)の純血種あるいはこの二種間の交配により、州内で生まれ、飼育され、肥育された仔牛の肉。 交配は、純血のそれぞれの種の牡と、多少の雑種性はあるが、遺伝学的にはほぼ両アストゥリアス原産種である牝との間でも認められています。
風味の特徴
ロス・バジェス種はその風味と柔らかさで知られ、モンターニャ種は風味とジューシーさが特徴です。
その他の特徴
両アステゥリアーナ種は形態学的には似ています。主な違いは、それぞれの種の特徴となっている角です。その他、この二種を比較すると、ロス・バジェス種の頭は短めで、モンターニャ種は胸や臀の幅が広いという違いが見られます。
両種ともにトロンコ・カスターニョ(Tronco castaño-栗色の系統)として知られる、スペイン北西部を起源とする血統の牛で、体幹は栗色の毛で覆われており、四肢や頭・尾など先の部分ほど濃い色をしています。鼻鏡、眼窩の縁、尾の先の房毛、頭の毛、蹄および牡のこう丸は黒または濃い灰色です。両種ともに牡の毛の色は牝よりも濃く、黒いたてがみや胸垂があり、臀部が張っています。 肉の色は赤から淡紅色や薄桃色まで多様です。 屠殺後24時間のPh値は6未満でなければなりません。
飼養および肉
仔牛肉は、この原産地名称保護地域で生まれ育ち肥育された仔牛のもので、最低5か月は母乳で育てられます。
仔牛の飼料は粗放的であり、母乳と自然の牧草を栄養として育ちます。離乳後、仔牛には穀物やマメ科植物を原料とした補完飼料が与えられます。PGIの規定により、飼育、と殺、カッティング、保管は、すべて基準を満たした登録施設で行われます。
地形(土地の起伏)および気候
アストゥリアス地方は山が多く非常に複雑な起伏があり、沿岸部付近のわずかな平地と大きな対比がみられます。境界線は珪岩、砂岩、古生代に遡る圧縮された石灰岩などの耐性の高い地質で構成されています。渓谷はシルル紀、デボン紀、または石炭紀の軟質スレートが削られて作られました。農業に利用される土壌は茶色で、河川段丘に沿って位置しており、浸水性が高く、炭酸カルシウムの含有量は少なめです。
この地域は冬も比較的暖かく、一年中多雨ですが、とくに冬は雨量が増えます。
これらの山がちな地形と十分な降雨量による豊富な牧草が、放牧に適した地域と言えます。
海洋性気候に属する地域で、地理的な複雑さから、狭い範囲での気候変化が見られます。農作物の生産が行われる期間の温度は20〜30ºCの間で変化します。
山間部では牛乳を原産としたチーズ作りが盛んです。
Consejo Regulador de la IGP Ternera Asturiana
Venta de la Uña, s/n
Mercado Nacional de Ganado
33510 Pola de Siero (Asturias)
Tel.: (+34) 985 725 777
correo@terneraasturiana.org
www.terneraasturiana.org/
ガリシア産仔牛PGI (I.G.P. Ternera Gallega)
ガリシア州原産の赤毛ガリシア種とモレナス・ガジェガ種(Morenas Gallega)に属する牛の仔牛、およびこの種間での交配種の肉。または、正式な血統登録のあるこれらの種の牡とホルスタイン・フリーシアン種およびブラウン・スイス種の牝とを交配させた第一世代の交配種の仔牛肉を指します。 主要は赤毛ガリシア種です。
(注釈 仔牛肉以外にも、同じ品種の牝牛および牡牛の肉もPGIで保護されています。)
風味の特徴
脂肪と肉のバランスが良く、とても柔らかく、ジューシーで、かつ、しっかりした食感があります。色は明るいピンクからやわらかな赤までさまざまです。
その他の特徴
赤毛ガリシア種は、もともと三用途兼用(乳・肉・役用)で利用されていましたが、主に食肉に使われることの多い種類です。体格は中型で、均整が取れており、胸深の長いアーチ型、背中は幅広で平らな筋肉質、そして臀部は盛り上がり、腿から脚にかけて流れるように長いです。骨格は頑丈でがっちりしており、よく発達しています。 皮は薄く、短毛、鼻鏡はピンクがかっています。 色は淡黄褐色かシナモン・ブラウンの単色です。多産な種です。
仔牛としては生後10か月でと畜されます。
飼養および肉
牛を飼養する牧場は統制委員会により管理されています。ガリシアの文化や習慣に基づき、伝統的に牧草地での放牧を主に行っています。補完飼料として、トウモロコシ、ジャガイモ、カブ、生牧草や乾燥牧草の他、統制委員会によって認可された穀物飼料が与えられる場合もあります。
食肉処理にはと畜、解体、整形、包装という作業があります。と畜場への輸送には、ストレスや怪我を最小限に抑えるために、統制基準を満たした認定車両が使われます。
PGI地理的表示保護制度の呼称基準を満たすためには、PGI以外の牛と同時に同じ場所でのと畜も、解体も認められていません。 この作業は統制基準に従い、同じタイプのグループにまとめて行うよう定められており、この方法で原料肉が由来する牛のトレーサビリティを確実なものにしています。また、この制度のもとでは、解体した牛を冷凍することはできません。そのため、食肉処理場では解体した牛を丸ごと、半分、または4分の1に切り分けたあと、登録認定を受けたパッカーまたは小売店に送ります。
その後も肉をカッティングする際にも、PGI以外の牛肉とは別に作業を行います。保管に関しても、カッティングされた他の肉と混ざらないように、十分に注意は払われます。
すべての個体には識別番号が付けられ、解体されたあと少なくとも30日間はDNAは保存されます。識別コードは、部位ごとにカッティングするたびにより細かい認識コードが与えられ、それによりそれぞれの個体が育った農場や与えられた食事など、すべての情報がわかるようになっています。(GuiaRepsolからの転用)
地形(土地の起伏)および気候
赤毛ガリシア種は主に、ガリシア州の標高300~600メートルに位置する中程度の山岳地帯と肥沃な谷間で飼養されています。しかしどんな場所にも適応しやすい特徴をもっています。
Consejo Regulador de la IGP Ternera Gallega
Recinto Ferial Amio, s/n
15891 Santiago de Compostela (A Coruña)
Tel: (+34) 981 575 786
consejo@terneragallega.com
www.terneragallega.com