原産地呼称制度

スペインワインはEUのワイン法(2009年8月改正)によって、1.「保護原産地呼称 (DOP:Denominación de Origen Protegida)」、2「保護地理的表示 (IGP:Indicación Geográfica Protegida)」に大きく分けられる。
原産地呼称(DO:Denominación de Origen)は、おおよそ7つのカテゴリーに分けられる。この7つのカテゴリーのうち、1.保護原産地呼称(DOP)にはVP、DOCa、DO、VCIGが含まれる。

原産地呼称制度

※カテゴリー名をクリックすると、各カテゴリー説明にリンクします。

ビノ・デ・パゴ

[単一ぶどう畑限定高級ワイン:Vino de Pago]

ある特定の村落で、他とは際立った違いのあるテロワールを持つ畑から生産される個性的な高品質ワイン。カリスマ性を持ったワインと受け止めておきたい。もともとは、カスティーリャ・ラ・マンチャ州政府が2000年以降主唱してきたカテゴリーで、2003年のワイン法改正で国内法に採用された。ブドウ畑はDO、DOCに認定されていない地域に属していてもよく、もしそれがリオハのようなDOC地域の産であればVino de Pago Calificadoと表示される。ビノ・デ・パゴの認定は、コンセホ・レグラドールではなく、所属する州政府と自治体が執り行うが、品質コントロールについては、DOCの規制に準じなくてはならない。

デノミナシオン・デ・オリヘン・カリフィカーダ

[特選原産地呼称ワイン:Denominación de Origen Calificada]

DO産ワインの中から、厳しい基準で昇格が認められた高品質ワイン。1988年に制定されたカテゴリーで、1991年4月にまずリオハが認められた。2009年7月にプリオラートが中央政府に承認された。

デノミナシオン・デ・オリヘン

[原産地呼称ワイン:Denominación de Origen]

原産地呼称統制委員会(コンセホ・レグラドール)が設置された地域において、地域内で栽培された認可品種を原料とし、厳しい基準に基づき生産されたワイン。現在、60以上あり、スペインの高級ワインの中核的なカテゴリーといっていい。ラベルには、Denominación de Origenと表示をする。

ビノ・デ・カリダ・コン・インディカシオン・ヘオグラフィカ

[地域名称付き高級ワイン:Vino de Calidad con Indicación Geográfica]

2003年のワイン法で新しくできたカテゴリー。ある特定の地域、地区、村落などで収穫されたブドウを原料とし、醸造、熟成されたワインで、その地域性を表現したもの。現在のビノ・デ・ラ・ティエラの多くが、将来このカテゴリーに昇格する予定である。なお、このカテゴリーで5年以上実績を積んだ生産地は、DOワインへの昇格を申請する事ができる。

ビノ・デ・ラ・ティエラ

[Vino de la Tierra]

地方ワイン、カントリーワインの意。フランスのヴァン・ド・ペイに当たる用語。地域名を名乗ったヴァン・ド・ターブルと考えればいい。ラベル表記は、Vino de la Tierra de の後に町や郡や地方の名が付く。ビニェードス・デ・エスパーニャを含む。

ビニェードス・デ・エスパーニャ

[Viñedos de España]

2006年に、安価な輸入ワインと区別するために造られた新しいカテゴリー。一般のガラス容器だけでなく、バック・イン・ボックスのワインにも使用できる。一部の銘醸地域では使用が禁止されている。

ビノ・デ・メサ

[Vino de Mesa]

ヴァン・ド・テーブルのことである。格付けされていない畑で生産されたワインや、異なる地方のワインを混入して造ったワインで、地域名、ブドウ品種名、収穫年の表示は許されていない。

原産地呼称制度(デノミナシオン・デ・オリヘン)

現在スペインのぶどう栽培面積は世界一。しかし、生産量では世界第3位にとどまっています。その理由のひとつに、各地方に設けられた統制委員会による、いくつもの厳しい規制措置があげられます。優れた味わい、地方独自の品質を確保するために、これらの措置は厳密に守られる必要があるからです。

鑑定

スペインで最初のワイン規制は18世紀に始まりました。低価格で低品質のワインの輸入や混入を防ぎ、地元ワインの品質を保持するために特別立法が公布されたのです。1920年代には、規制基準が次第に強化されていきました。また、とくに品質の優れた特定のワイン産地の指定制度も始まりました。最初にその栄誉を受けたのはリオハです。続いて、ヘレス(シェリー)、マラガなどが指定されました。これが原産地呼称制度の始まりです。

1970年代に「ぶどう畑、ワインおよびアルコールに関する法令」が施行され、同法に基づき原産地呼称庁(INDOの略称。のちに品質呼称局と改名)が設立されて、原産地呼称(DO:Denominación de Origen)を名乗るために満たすべき条件が定められました。同局管理のもと、定められた規制を管理・運営する原産地呼称統制委員会(Consejo Regulador)が各原産地に設置されました。原産地呼称が認可されるためには、実に細かく厳しい条件をクリアしなければなりません。品質呼称局はそれぞれの原産地に対して、ぶどう栽培面積、地域の境界限定、栽培ぶどう品種、植樹密度、収穫量、かんがいの規制などを定めるほか、ワインについては収量、醸造法、タイプによる使用ぶどう品種、アルコール度数、総亜硫酸量、揮発酸度、官能試飲検査などを定めています。

ビノ・デ・パゴ デノミナシオン・デ・オリヘン・カリフィカーダ デノミナシオン・デ・オリヘン ビノ・デ・カリダ・コン・インディカシオン・ヘオグラフィカ ビノ・デ・ラ・ティエラ ビノ・デ・メサ

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