オリーブ、ソース、ナッツ、ドライフルーツ

スペインのテーブルオリーブ業界は、様々な形態の商品としてオリーブを提供します。種を抜いたもの、詰め物入り、半分にしたもの、四分の一にしたもの、そして調味したものなどです。調味したものは、唐辛子、ケッパー、ガーキン、オニオンピクルス、ハーブ、スパイスなどの他の成分といっしょにブライン液に漬けたオリーブです。アリオリやロメスコなどの伝統的なスペインのソースを味わったことがありますか?スペインの、多岐にわたる健康的で風味豊かなナッツやドライフルーツについてはいかがですか?

テーブルオリーブ

スペインには3億本を超えるオリーブの木があり、それによりスペインは、世界でも有数のオリーブオイルとテーブルオリーブの生産・輸出国となっています。
オリーブの木の果実は核果ですが、他の核果とは異なり、糖分が非常に少なく、強い苦味があります。つまり、オリーブは生では食べられません。食べられるようにし、貯蔵するためには品種や熟成度により、また作られる地域の伝統や習慣によって様々な方法で加工をします。
テーブルオリーブはグリーンオリーブまたはブラックオリーブから、または熟していく過程の中間色の果実から作られます。スペインでの通常の作り方は、完全に熟す前に採ったグリーンオリーブを使い、スペインまたはセビリアの方法で漬け込むというものです。
オレウロペインとして知られる苦い物質を取り除くため、グリーンオリーブを一定の温度のアルカリ液に漬けます。次にこれを洗い、ブライン液(塩分約9%)に入れると、乳酸発酵が起こります。漬け込み時間は品種によって異なります。次にこれを選定しサイズごとに分け、様々な商業的調製工程(種抜き、詰め物、スライス等)に送ります。
もうひとつの方法では、ブライン液の中のオリーブを保蔵処理します。この場合、オリーブを直接ブライン液に入れると苦味が消え、発酵が起こります。最後に、第三のさらに珍しい方法として、脱水法があります。オリーブを塩に漬けて果汁を抜くことで、塩味でしわのよった外観のオリーブができます。
古くから、ある品種のオリーブは常にオイルの採取に利用されてきました。一方で、他の品種はテーブルオリーブとして利用されています。 テーブルオリーブにする品種は、一般にある程度の大きさがあって、球形が好ましく、種に対する果肉の割合が高いことが必要です。容易に種抜きができるもので、また、皮は薄くて弾力がなければなりません。最後に、糖分が多いと発酵しやすくなるので有益です。一方、油分が少ないと、品質維持が向上し、堅く引き締まった果実となります。
テーブルオリーブに最適な品種はマンサニージャ・デ・セビリア(きめが細かく、球形で、中程度の大きさの多肉質のオリーブ)と、有名なゴルダル種のオリーブ(油分が非常に少なく、多くの品種よりも大きい)です。グリーンオリーブが工業的に加工され商品化される多くの方法のうち、種を抜いてアンチョビ、唐辛子またはアーモンドを詰めたものが最も一般的な商品の一つとなる傾向があります。
アンダルシア特有のオヒブランカ種は用途が複数あるオリーブで、オイルの製造にも、テーブルオリーブにも利用できます。 マンサニージャ・カセレーニャ種はカセレス地方(エストレマドゥーラ州)と、一部はサラマンカ(カスティーリャ・イ・レオン州)で育ちます。これは美味しい調味済みブラックオリーブを作るのに使われます。もうひとつの多目的品種で、ほとんどがブラックオリーブとして消費者の手に渡るのは、アラゴンのエンペルトレ種です。
スペインのテーブルオリーブ業界は、様々な形態の商品としてオリーブを提供します。種を抜いたもの、詰め物入り、半分にしたもの、四分の一にしたもの、そして調味したものなどです。調味したものは、唐辛子、ケッパー、ガーキン、オニオンピクルス、ハーブ、スパイスなどの他の成分といっしょにブライン液に漬けたオリーブです。

ピクルス

ピクルスは、一般にはビネガーで酸味を付けた製品です。ケッパー(トゲフウチョウボクの開く前のつぼみ)や、ケッパーベリー(同じケッパーの木の果実を2ヶ月後に採集したもの)などがあります。
地理的表示保護(PGI)の対象となっている有名な シウダ・レアルのアルマグロナス は、まず火を通してから、ビネガー、オイル、クミン、ニンニク、ピメントンを使った濃厚なドレッシングに漬けて発酵させます。
バスク地方の町イバラで獲れるギンディージャという唐辛子は、ワインビネガーに漬けた状態で保存されます。細長く、先が細くなっていて、マイルドで少しピリッとした味です。

ソース

温かいか冷たいか、甘いか酸っぱいか、スパイスが効いているか、薄いか濃いかにかかわらず、ソースはいつでも創造性を示す重要な手段であり、人々の才覚の表現手段となってきました。
最も伝統的なスペインのソースのひとつはアリオリです。これは、スペイン東岸で一般的なソースですが、もっと北の方のカタルーニャに起源があると思われます。ツンとくる独特の風味のある冷たいクリームは、ゆっくりとつぶしたニンニクとオリーブオイルで作ります。 これは特に米料理や、魚、肉と一緒に使います。おそらく起源はローマ時代にあり、地中海沿岸の他の地域でも同様の方法で作られています。
ロメスコソースは、おそらく最も典型的なカタルーニャのソースでしょう。パン、ニンニク、アーモンドまたはヘーゼルナッツ、オリーブオイル、ビネガーを使うことが、地中海沿岸に起源があることの証左です。後にトマトや乾燥させた唐辛子を加えたことで、今日知られているソースとなったのです。
モホソースはカナリア諸島原産です。ニンニクとオイルで作られたグリーンモホには、青唐辛子、コリアンダーまたはパセリも入っています。スパイスが効いていることの多いレッドモホソースは一般に、カナリアのパルメラ赤唐辛子またはピメントンで作ります。
ピルピルやサルサ・ビスカイナなど、塩タラに合わせるためにバスク地方の料理人が作るソースは、それ自体でひとつの分類になっています。その他、より伝統的なソースとしては、ニンニクとパセリをベースにした緑色のソース、様々なトマトソース、サフランを使った黄色いソース、松の実またはヘーゼルナッツのソースなどがあります。

ナッツ

スペインは、米国に次いで世界第二位のアーモンド生産国です。スペイン原産の最も重要な品種は、プラネタとラルゲタ(これらの品種はローストするのに最適です)、そして特に口当たりがよく、みずみずしく、強い味わいのマルコナです。世界最高の品種と考えられているため、マルコナアーモンドはパティスリーでよく使われます。
アーモンドと同様に、ヘーゼルナッツも地中海沿岸で栽培されています。タラゴナ産ネグレタ種のヘーゼルナッツは保護原産地呼称(PDO)の対象であり、「アベジャナ・デ・レウス(レウスのヘーゼルナッツ) 」と表示されます。
ウォールナッツは、一部のスペイン原産種がスペインで栽培されていますが、最近は、果実が大きいことから、カリフォルニア種が植えられています。
カスティーリャの松の実、特にバリャドリッド(カスティーリャ・イ・レオン州)産のものは一般に、スペインで最高のものと考えられています。天日干しにして風味を良くし、味わい深くします。松の実は美味であると考えられ、ナッツ類の中で最高の値のつくもののひとつです。
栗は学問的には木の実ですが、どんぐりのようにでんぷん質です。何世紀にもわたって栗は、穀物を栽培することのできないスペイン北部の雨の多い山岳地域の人々にとっての主要産物でした。最も良く知られているのは ガリシア州産のものです。

ドライフルーツ

スペインの極上レーズンは、疑いなく、マラガ県のアクサルキア地域およびマニルバ地域産のものです。ローマ時代までさかのぼる、素晴らしく甘いマスカテル種から作られます。
南東部のアリカンテには エルチェの椰子園(Palmeral de Elche)があります。10世紀から12世紀までの間にアラビア人が植えたナツメヤシが受け継がれてきたのです。今日では欧州最大の椰子園となっており、UNESCOの世界遺産に指定されました。 スペインのイチジクの大部分はカセレス県で栽培されています。特に名高いのはアルモアリン産のものです。ここではイチジクを単に乾燥させるだけではなく、キャンディーやチョコレートを作る際にも使っています。

オリーブ、ソース、ナッツ、ドライフルーツの産地

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