産地紹介(大西洋地方)
Monterrei / D.O.モンテレイ
DOモンテレイ
DOモンテレイの名前はモンテレイ山に由来し、カスティーリャ語で王の山を意味します。
丘の上には要塞跡があり、そこからは、ポルトガル国境近く、マドリードからガリシアへと続く道路の南北に伸びるブドウ畑を見渡すことができます。
この地域は、1970年代に暫定でDOとなり、1996年に正式にDOに昇格しました。
ここでもガリシアの他の場所と同様に、土地固有のスタイルのワイン、フレッシュでフルーティーな白ワインと、メンシアから造られる若々しい赤ワインの醸造が、緩やかに復活しています。また、この地域の家族経営の小規模ワイナリーと協同組合のワイナリーには、新しい投資が行われています。 ワインの多くはまだバルクで大量販売をされており、土地の固有品種でのワイン造りは初期段階ですが、先駆的なワイナリーではブドウ畑における可能性を示しています。DOはこれをサポートしており、土地の固有品種85%以上で造られたワインには「モンテレイ・スペリオール」というラベル表示を認めています。
歴史
この地区で発見された遺跡、岩を掘って造られた搾り桶やローマ時代の壺などは、モンテレーでその時代にワイン造りが行われていたことの証拠と言えます。
9世紀の終わりごろ、ワインは修道院や土地の治世者への貢ぎ物として使用されたため、ブドウ栽培は宗教的命令によって地域全体に広がっていました。
歴史の素晴らしさ
中世と近代のある期間、モンテレイはガリシアとスペインの経済的、政治的、文化的側面に大きな影響を与えました。書籍「Brotes de raíces históricas(歴史の根の萌芽)」の著者であるD. Federico Justo Méndez氏は、その中で「モンテレイ渓谷のワインは、その優れた品質ゆえオポルトのワインと肩を並べ、アメリカ大陸のさまざまな地域で販売されるほどであった。第5代モンテレイ伯爵は、フェリペ2世からアメリカ大陸の新しいスペイン植民地を統治するため総督に任命され、モンテレイのワインをその植民地で販売した。」と書いています。
この地方の重要なワイナリーのいくつかがストーンンプレスと大きなオークの樽を所有していたことは、近い時代、前世紀の半ばに、モンテレイが優れた品質のワインを大量に生産した地域であったことの証となっています。
60年代の初めに、モンテレイの協同組合ワイナリーが設立されました。これはワインの正しい製造方法の啓蒙と商品化の促進を目的としたものでした。
20世紀の終わりには、(住民の)移住、協同組合ワイナリーの閉鎖、収益性の低さによる畑の放棄、などで地域のブドウ畑は殆ど消失寸前でしたが、行政機関による原産地呼称と規制承認( 1994年11月25日ガリシア州レベルで承認)、そして良質なワインを造ろうという強い意志の力が、この地域を復活させました。
復活
このような経緯があり、そのため、90年代には推奨品種の回復とワイン製造についての大きな飛躍がもたらされました。 伝統的な株仕立ては維持されていますが、多くの新しいブドウ畑では新しい栽培システム、垣根式のダブルコルドンが導入されています。これは作業と収穫をより容易にすることができる方法です。
これらすべてのことと、技術投資を追加し、新しいワイン製造技術を採用することは、地域のワイン製造にとって大きな進歩を表しています。
そして、土地固有の品種の多くが保存されているため、品種の特徴を生かした個性あるワインが生まれています。
地域
DOモンテレイには、モンテレイ渓谷と、モンテレイ丘陵の2つのサブゾーンがあります。
土地の特徴
気候モンテレイは、DOを北から南に横切るタメガ川が流入するため、ドゥエロ川流域に属します。大西洋の影響を受けた大陸傾向の穏やかな地中海性気候です。 夏は暑く乾燥しており、冬は寒くなります。 地域の温度差は大きく、ブドウの成熟期の気温は最高30℃になります。
土壌
モンテレイには3種類の土壌があります。スレートと片岩は干ばつ期間に良い働きをし、赤ワインに香りを与えます。花崗岩と砂質は花崗岩の侵食によるもので、pHが低く、白ワイン造りに適しています。 堆積物は幾つもの素材の混合により複雑です。
ブドウ品種
推奨品種白ブドウ:ドーニャ・ブランカ、ゴデーリョ、トレイシャドゥーラ
黒ブドウ:メンシア、メレンサオ
白ブドウ:アルバリーニョ、ブランカ・デ・モンテレイ、カイーニョ・ブランコ、ロウレイラ
黒ブドウ:テンプラニーリョ、カイーニョ・ティント、ソウソン
白ブドウ品種について
•ゴデーリョ
別名ベルデーリョとも呼ばれ、(この地域で)最も広く栽培されている白ブドウ品種です。主な特徴は早く成熟する小さくコンパクトな房です。フルーティーでグリセリン豊富な、フルボディのエレガントなワインになります。
•トレイシャドゥーラ
ベルデーリョ・ロウロとしても知られており、(地域で)2番目に広く栽培されている白品種です。
中型の房で、皮が厚く、遅く熟します。非常に香りが強く、フローラルの香りがあり、バランスの取れたエレガントなワインになります。
•ドーニャ・ブランカ
他の地域ではモサ・フレスカとして知られ、中型の密集しない緩い房で、早く熟す品種です。アロマティックでフレッシュなワインになり、他の品種のワインのブレンドに使われます。
•アルバリーニョ
ゴデーリョやトレイシャドゥーラほど広く栽培されていない希少な品種。 房は小さくて緩く、成熟が早い品種。 そのワインは芳香と酸味がありとてもフレッシュです。 常に他の品種のワインへのアクセントとして使われます。(compliment, aporte を意訳するとこういうことでしょうか?)
•ロウレイラ
地域で栽培されている割合は非常に低い白品種。 月桂樹の香りと強い酸味があり、他の品種とブレンドされます。長く伸びた房で果実の皮は厚く、熟成は遅い品種です。
•ブランカ・デ・モンテレイ
地域で希少な品種。中型で緩い房で、やや早く熟します。アクセントのある味わいと苦味が特徴です。
•カイーニョ・ブランコ
地域で希少な品種。 緩やかな房で成熟はやや遅く、他の品種とブレンドされます。
黒ブドウ品種について
・メンシア
地域で最も広く栽培されている品種。中型でコンパクトな房で、やや晩熟。ワインの色合いはチェリーレッドで、森の果実の香り、エレガントな余韻が長く続きます。よく栽培されたブドウは、質の高い個性的なワインを産み出しています。
・メレンサオ
この地域で、別名バスタルドとしても知られており、それほど広くは栽培されていません。小さくコンパクトな房で、早熟。ワインに熟成感と個性を与えます。
•アラウシャ
地域で2番目に広く栽培されている黒ブドウ品種です。 大きくて緩い房。ワインは濃い紫色で、フルーティーでフローラルな香りがあり、良い酸味のフルボディになります。
•カイーニョ・ティント
地域ではあまり栽培されていませんが、だからと言って他の品種より重要でないということはありません。
その際立った果実の香りと高い酸味は、熟成させるワインに最適です。常に他の品種と補完し合っています。•ソウソン
地域での栽培は非常に少ない希少品種です。熟成すると色が濃くなり、力強い香り、驚くべきボディを提供します。 この品種はその特性上、熟成させるワインに最適です。
ワインのタイプ
・モンテレイ・ホワイト
推奨される白ブドウ品種の少なくとも60%のブドウで作られ、残りの40%は認定白ブドウ品種で作られています。
最小アルコール度数は11%で、揮発性酸度最大0.75g/ℓ、酒石酸は最低4.5g/ℓ以上、硫黄は160㎎/ℓ以下であることが必要になります。
・モンテレイ・レッド
推奨される赤の品種の少なくとも60%のブドウで作られ、残りの40%は認定黒ブドウ品種で作られています。
最少アルコール度数は11%で、揮発性酸度は最大0.80g/ℓ、酒石酸は最低4.5g/ℓ以上で、硫黄は150㎎/ℓ以下であることが必要になります。
モンテレーの白ワインと赤ワインは、オーク樽で熟成処理が施されているため、現在の法律に従って、バリカ、クリアンサ、レセルバ、グラン・レセルバという用語を使用する場合があります。
これらのワインの最小アルコール度数は、赤は12%、白は11.5%です。さらに、アルコール度数10%までの揮発性酸性度は最大1g/ℓ、また、アルコール度数が10%を超える場合、超えた分1度につき0.06g/ℓが限度、酒石酸4.5g/ℓの最小総酸性度と160mg/ℓ以下の硫黄含有量になります。
ワインの特徴
・モンテレイ・ブランコ (白ワイン)
外観はクリーンで明るく、淡い黄色から金色までのトーン。
香りは木なりのフルーツやトロピカルフルーツ。味わいは、木なりのフルーツやトロピカルフルーツ。アルコールと酸味のバランスが良く取れており、余韻は中程度から長い持続性。
・モンテレイ・ティント(赤ワイン)
外観はクリーンで明るく、中程度から濃いめの赤から栗色の赤まで。
香りは赤または黒系の果実。味わいは赤または黒系果実。 アルコールと酸味のバランスが取れており、 中程度から長い持続性。
・モンテレイ・ブランコ(白ワイン)バリッカ、クリアンサ、レセルバ、グラン・レセルバ
外観はクリーンで明るい。 淡い黄色から黄金色。
香りは木なりのフルーツやトロピカルフルーツ、スパイスやトースト。
味わいは木なりのフルーツやトロピカルフルーツ、スパイスやトースト。 アルコールと酸味のバランスが取れており余韻は中から高持続性。
・モンテレイ・ティント(赤ワイン)バリッカ、クリアンサ、レセルバ、グラン・レセルバ
外観はクリーンで明るい。中程度から濃い赤、栗色の赤まで。
香りは赤または黒系の果実、スパイスやトースト。
味わいは赤または黒系の果実、スパイスやトースト。アルコールと酸味のバランスが取れており、余韻は中または高持続性。
格付け
非常に良い(Very Good) 2012,2013,2014,2015,2017,2018
卓越して良い/ 最良(Excellent) 2016
D.O.情報(ファクトファイル)
原産地呼称委員会所在地 | Avd. Luis Espada, 73 bajo 32600 Verín Ourense |
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連絡先 | 電話: +34 988 590 007 e-mail : info@domonterrei.com |
HP | www.domonterrei.com |
ブドウ畑の面積 | 491 ha. |
ブドウ畑の標高 | 400-500 m. |
土壌 | 花崗岩、スレート、粘土 |
主要ブドウ品種 | 白ブドウ: ドーニャ・ブランカ、ゴデーリョ、トレイシャドゥーラ 黒ブドウ: メンシア、バスタルド |
最大収穫量 | 12,000 kg/ha |
収穫率 | 黒ブドウ70 % 、白ブドウ 65 % |
生産量 | 2015年 16,937 hl |
※上記文章はFoods & Wines from Spain(英語)(2020年7月現在)およびモンテレイ原産地呼称統制委員会の一部を和訳したものです。
Rias Baixas / リアス・バイシャス
DOリアス・バイシャス
DOリアス・バイシャスは、1988年にDOの地位を獲得して以来、香り高いフルーティーな白ワインの壮大な成功で、ガリシアのワイン産業に新しい希望を与えました。
この産地が現代のテクノロジーを取り入れていることも、地域の他のDOに重要な影響を与えています。 生産者は、現代的な協同組合から小規模の職人的な生産者(ここではワイナリーはアデガスと呼ばれます。)にまで及び、中には突出した品質と複雑さでSignatureワインを作っています。
若飲みのアルバリーニョ種のマスマーケットでの幅広い成功は、ワイン生産者達が新しい技術を試すきっかけとなりました。
DOリアス・バイシャスについて
DOリアス・バイシャスは、スペイン北西部ガリシア州の小さなワイン生産地で、海岸線は複雑に入り込んでおり、「リアス式海岸」の発祥の地です。長いワイン造りの伝統があり、世代から世代へそれは受け継がれていました。しかし1988年にリアス・バイシャスのワイン統制委員会が設立され、以降ワイン産業は地域経済の発展において基本的で重要な役割を果たすようになりました。その成功の鍵となる要因の1つは、地元の固有ブドウ品種、特にアルバリーニョの栽培を継続するという決断でした。アルバリーニョは厳しい気候に適応し、ワインに本物の品質とテロワール、大西洋的なキャラクターを、はっきりと与えます。
ブドウ栽培地はガリシア地方の典型であるミニ・フンディオと呼ばれる小さな畑で、パッチワーク状に構成されており、現在栽培面積は4,061ヘクタールで、21,825の畑に分割されています。この地域の5,500以上のブドウ栽培者の手作業による技術と専門知識のおかげで、伝統的なガリシアのブドウ栽培方法は維持されており、ブドウは棚式で仕立てられています。棚式は機械化が困難なので、剪定と収穫は完全に手作業で行われています。
リアス・バイシャスのワイン産地は主にポンテベドラ県にあり、一部はラ・コルーニャ県にもあります。 また、バル・ド・サルネス、オ・ロサル、リベイラ・ド・ウリャ、ソウトマヨール、コンダード・ド・テアの5つのサブゾーンに分かれています。
経済的影響
リアス・バイシャスのワイン産業においては、地域で合計7,600人がフルタイムの仕事に就いており、繁忙期には5,200人の一時的な雇用があります。 したがって、リアス・バイシャスのワイン産業は地域の雇用の7%を占めており、収穫期には12%に上昇します。 その影響は、リアス・バイシャスのブドウ生産の60%以上が集中し、ワイナリーのほぼ70%が位置するバル・ド・サルネスにおいて特に重要なものとなっています。
歴史
12世紀にアルバリーニョのブドウがフランスのクリュニー派修道士によって、ポンテベドラのサルネス渓谷にあるアルメンテイラ修道院に持ち込まれ、その後ガリシアの残りの地域とポルトガルの北部に広まったという説があります。中世以来ウミア川の土手に沿ってブドウが栽培され、そこでワインが生産されたため、ウミア川はアルバリーニョの「父」と言われています。現在この仮説は、ワインの伝承のほんの一部と見なされています。
もう1つの最近の主張は、5世紀にゲルマン系民族(主にスエビ族と西ゴート族)が中央ヨーロッパからこの地域に移動、定住した際にアルバリーニョが伝わったというものです。
伝説はさておき、このブドウ品種がリアス・バイシャスの地域で1,000年以上にわたって栽培されており、その特性を考えると、この地域の特別な気候の特徴に完全に適合していることを確信できます。
しかし、12世紀に到着したシトー会の修道士が、土地の人々にブドウ品種の育て方、そして最高品質のワインの造り方を伝授してくれましたことには疑う余地がありません。より洗練された白ワインは、18世紀、メンディサバル法によって修道院が解散するまで、修道院の中で守られていました。
ガリシアのワインが修道院の手を離れ、パソと呼ばれる貴族の荘園で生産され始めたのはこの時代以降です。高貴な家族だけが土地を上質なワイン栽培に使用する余裕がありましたが、一般の人々は、狭い土地で自給自足するための作物を作るだけで精いっぱいでした。
アルバリーニョは20世紀半ばまでに地域全体に広まりました。ブドウ畑は代替わりし、新しい世代の栽培者が引き継ぎ、地域のワインはより確立され、有名になりつつありました。
1980年代までに、これらのブドウ品種とワインは広く知られるようになり、新たに作成されたリアス・バイシャス産地とその統制委員会は、ワインの名声を高め、卓越した品質で消費者の注目を集めました。
統制委員会
統制委員会(Consejos Reguladores)の主な機能は、原産地管理、品質管理、市場管理、およびその販売促進です。リアス・バイシャスワイン統制委員会にとって、消費者に対しワインの品質と原産地の保証を与えことが一番の使命です。
原産地管理
DOリアス・バイシャスの名称での品質管理の作業は、ワイン農家が畑を統制委員会に登録した瞬間から始まります。
収穫の直前には、DO域内の大まかな収穫量と品質は、さまざまなサブゾーンでのブドウ畑の区画でのサンプル調査により推定されます。収穫中、ワイン評議会はその検査官を介してワイナリーで監査を実施し、仕様書類に規定された条件が適切に遵守されていること、および承認された収穫基準が満たされていることを確認します。
品質管理
DOリアス・バイシャスの認定を求めるワインは、出荷される分量ごとに認証されます。ワイナリーは出荷するたびに統制委員会に承認を求めるのです。委員会はワイナリーに検査官を派遣し、密閉された大桶からワインのサンプルを採取します。これらは、ラボでの分析(物理的、化学的、生物学的)と、ワイン評議会の認定委員会によって行われた試飲分析を受け、公的ラボでの結果とクロスチェックされます。
統制委員会はまた、市場での不正を防止するために、製品管理においてICAなどの他の組織と協力して、DOの製品のケアと保護に関与しています。
ワインの宣伝
統制委員会の主な機能のもう1つは、DO全体として、さらにDOラベルが付いたワインを宣伝することです。この仕事によってリアス・バイシャスのワインは、スペインだけでなく多くの輸出市場でも知名度を高めることとなりました。
DOリアス・バイシャスに関係するすべての人(ワイナリー、栽培農家、行政、評議会のメンバー等)によって行われる労力を要する仕事は、このDO域内のワイン産地に大きな富を生み出すのに役立ち、ワイン産業は地域で2番目に重要な経済的な役割を果たしています。
自然環境
ガリシア州のリアス・バイシャス地方は、ブドウ栽培の特権的な地域です。 その気候、リアス式海岸に代表される唯一無二の風景、土壌、地域固有のブドウ品種が組み合わさって、この地域のワイン生産生態系を構成しています。 これらの特性は、DOリアス・バイシャスが高品質のワインを生産することの使命を定義し、条件付けています。
ブドウの栽培条件は、温度、降雨量、日射量などの要因の組み合わせによって決定付けられます。これらの要因は組み合わせによって複雑さの度合が変わってきます。ブドウ栽培地域の潜在的品質を測定するウィンクラースケール(気候を元にしたワイン産地の区分法)によれば、リアス・バイシャスを構成する5つのサブゾーン(コンダード・ド・テア、オ・ロサル、リベイラ・ド・ウリャ、ソウトマヨール、バル・ド・サルネス)が位置しているのは、 最高品質のワイン生産ゾーン内です。
気候
DOリアス・バイシャスは、その長い海岸線が大西洋に面していて、その境界はワグナーラインによって区別されます。(Wagner P.1976)。したがって、このDOのワインはスペインでは珍しい、「大西洋」的なワインと呼ばれています。
冬の特徴は、海岸線である西部/南西部からスコールが入り暖かい前線が続くことです。これらは大雨をもたらし、日中と夜間の温度の変化がほとんどない穏やかで暖かい気候を生み出します。寒い北極の空気が到着するか、高気圧がスコールを北に押しやる期間にのみ、夜間の気温が低下し霜が発生します。
1年で最も寒い月である1月の平均気温は、南部のオ・ロサルで10°C、北部のリベイラ・ド・ウリャで9°C程度です。これにより冬の穏やかさがわかります。ただし、冬が最も雨が多く、年間平均1600mmのうちの600mmがこの時期に降ります。
春の到達は早く、雨が降ります。そのため霜によるブドウ樹の損傷と果物の未結実の危険が伴いますが、霜による損傷はまれです。
夏の初めに、アゾレス高気圧は西大西洋に定住し、最悪の場合ガリシアの北海岸を迂回する悪天候の通過を防ぎます。夏の間、降雨はまれで軽くしか降りませんが、冷たい空気のおかげで、気温はそれほど高くありません。夏の嵐はまれです。このシーズンは、降雨量が少なく、気温が高く、水はけの良い砂質土壌のため、干ばつが深刻化します。
秋の数ヶ月間はスコールが到来し、非常に雨の多い季節となります。
地形
地形のタイプは、土壌浸食や土壌水分量、排水などに大きな影響を与えます。地形の観点から見ると、バル・ド・サルネスの最も重要な点は、低い平野であることです。このゾーンには、ガリシアの中でも最も広い海岸沿いの平野が含まれており、わずかにある起伏にのみ100メートルを超える場所があります。二つのリアに囲まれた半島状の海岸線が長く伸びている地域が一番生産量が多くなっています。海岸とほぼおなじ標高でワインがつくられていることは印象的です。
コンダード・ド・テアとオ・ロサルは、明確に区別することが容易ではないサブゾーンで、地形は、特にアス・ネベスあたりから、ミーニョ川の川幅が大きく広がります。しかし、おそらく最も珍しい特徴は、川間地域またはホルストと、デバ、テルメス、テア、ロウロ、タムシェ川などの連続する支流の交差です。これらは一般に短くて小さな川で、主にガリシアの高い尾根から始まり、南北方向の小さな窪地に排水し、激しい地形の破壊が引き起こされます。多くは平らで、側面には岩が多く、急な崖があります。
土壌
DOリアス・バイシャスで見られる主な岩石のタイプは、そのほとんどが花崗岩です。バル・ド・サルネス地区のサンシェイショに至るまでの狭い帯状の変成岩のみが例外的です。また、5つのサブゾーンすべてでよく見られるのは、沖積または沖積崩積のいずれかの可能性のある第四紀の土壌です。またそれらは、バル・ド・サルネスのウミア川沿い、および北から南にエリアを横切る窪地の底にもあります。これらは、砂利、砂、粘土の堆積物と、ウミア河口の湿地帯のシルト粘土堆積物で構成されています。
コンダード・ド・テアとオ・ロサルにも、新しい大きな堆積層があり、その中にロウロ川とミーニョ川の段丘があります。どちらも密接に関連しており、7つの堆積層が検出されています。
最後に、リベイラ・ド・ウリャでは、土壌は本質的に花崗岩の地層に由来します。母岩は片岩の性質を持っている場合があり、中央帯を通ってガリシアを北から南に横切る広い片岩に対応しています。川の下部には、流れによって堆積した物質でできた沖積土があります。
品質保証ラベル
DOリアス・バイシャスのさまざまな種類のワインには、これらのワインをユニークにする各種の品質保証ラベルがあります。 ラベルは、市場にリリースされる前に厳格な管理を通過したことを保証します。 各ラベルには、偽造が不可能で、番号が記載されたホログラムが含まれています。これにより、だれが作ったワインか追跡することができます。
リアス・バイシャスのワインが市場に発送される前に、管理および認証機関は、ワイナリーでの資格認定の後に、ワインの各バットからサンプルを収集し、官能検査および物理化学分析からなる検証プロセスを受けます。(規制17.065に準拠。) サンプルがこの厳格なテストに合格すると、ワインは品質の認定を受け、ようやく市場にリリースされることが可能になります。
リアス・バイシャス統制委員会が承認しているブドウ品種
白ブドウ:アルバリーニョ、ロウレイラ・ブランカ(またはマルケス)、トレイシャドゥーラ、カイーニョ・ブランコ、トロンテス、ゴデーリョ。
黒ブドウ:カイーニョ・ティント、カスタニャル、エスパデイロ、ロウレイラ・ティンタ、ソウソン、メンシア、ブランチェリャオ、ドサール。
アルバリーニョがこの産地ブドウの王様であることに疑う余地はありません。 1975年には栽培面積は200ヘクタールでしたが、今日、4,000ヘクタールを超えるアルバリーニョが植えられています。 このブドウ品種は、リアス式海岸で有名なこの地域の気候と土壌において最高の性能を発揮します。 そしてゲノムを分析すると、12度を超えるアルコールを生成することが出来る高い糖分、世界でも非常に少ない品種のみが可能な、様々な酸を維持する能力、そして味わったときにワインを簡単に識別できる、豊富な香りと風味の成分という卓越した性質を兼ね備えています。
マルケスとしても知られるもう1つの品種であるロウレイラは、月桂樹の葉や月桂樹(ローレル、その名の由来)を連想させ、素晴らしいキャラクターのワインを生産するアロマとオリジナルのフレーバーで高く評価されています。糖/酸度の比率が最適ではないため(低糖度と高酸度)、単一品種のワインには適切とは見なされていませんが、アルバリーニョベースのワインにこの品種を賢明な割合でブレンドすることで、オ・ロサルで造られるものなど、個性的なキャラクターの優れた品質のワインを生産することができます。
栽培に推奨される3番目の高品質品種であるトレイシャドゥラは、広くは栽培されていませんが、コンダード・ド・テアには比較的広がっています。この品種は、青リンゴの風味とともに、ワインに新鮮さと酸味をもたらします。
DOリアス・バイシャスにはまでのところ、黒ブドウは広く栽培されていません。しかし、近年この地域の生産の多様性を高めるために、新しいワインを導入する明確な動きがあります。そしてこの動きは市場の需要によって支えられてきました。したがって、生産者は、ブランセリャオ、エスパデイロ、カイーニョ・ティント、ソウソン、ロウレイラ・ティンタ、メンシア、ペドラル、カスタニャールなどの独特のブドウに魅了され、真の特徴を備えた独特の赤ワインを生産するため、ブドウ畑にますます多くの黒品種を導入しています。
ワインの種類
リアス・バイシャス統制委員会の仕様書類に従って、生産されたワインは最初に委員会の検査プロセスに合格する必要があります。リアス・バイシャスで生産されたワインの各バッチは、化学的および官能分析によりバックアップされた厳格な管理を受けています。名称に記載されているワインの種類は次のとおりです。
リアス・バイシャス アルバリーニョ
いずれかのサブゾーンで栽培されたアルバリーニョのブドウのみで作られた単一の品種のワイン。
リアス・バイシャス コンダード・ド・テア
少なくとも70%のアルバリーニョとトレイシャドゥーラで作られたブレンドワインで、残りのワインは許可されている他の白い品種で作られています。すべてのブドウは、コンダード・ド・テアサブゾーン内から調達する必要があります。
リアス・バイシャス オ・ロサル
少なくとも70%のアルバリーニョとロウレイラで構成された品種のブレンド。残りは、許可された品種で構成されており、すべてのブドウは、オ・ロサルサブゾーン内から調達する必要があります。
リアス・バイシャス バル・ド・サルネス
少なくとも70%のアルバリーニョで構成されており、残りの30%は許可されたブドウ品種からのもので、そのすべてがバル・ド・サルネス サブゾーンで栽培される必要があります。
リアス・バイシャス リベイラ・ド・ウリャ
少なくとも70%がアルバリーニョでなければなりません。ブレンドの場合残りは許可されたブドウ品種で構成され、そのすべてがリベイラ・ド・ウリャサブゾーン内から供給されたものである必要があります。
リアス・バイシャス
5つのサブゾーンのいずれかから調達された、許可された白ブドウ品種のブレンドで構成されています。
リアス・バイシャス バリカ
許可された白ブドウ品種から、DOゾーン内で作られたワインです。白ワインを作るプロセスを経ますが、600リットル以下の容量の木製の樽で熟成されています。これらのワインのボトルのラベルには、樽で熟成した期間(月または年)が示されています。
リアス・バイシャス ティント
このタイプのワインは、統制委員会によって承認された黒ブドウ品種から造られ、統制委員会の仕様書に従って、5つのサブゾーンのいずれかで生産できます。
リアス・バイシャス エスプモソ(スパークリング)
サブゾーンのいずれかで生産され、統制委員会の仕様書、スパークリングワインの品質に関する国内およびヨーロッパ連合の規制、および確立された規制に規定されている分析要件を満たす、認められた品種で作られている瓶内二次発酵のスパークリングワイン。
リアス・バイシャスのワインの大半は樽では熟成されません。しかし、ボトル内での熟成は、数多くのワイン評論家、ソムリエ、流通業者、ワインメーカーから称賛されてきました。アルバリーニョの優れた酸のレベルは、この品種から作られたワインを熟成させることを可能にします。赤ワインのように市場でさまざまなヴィンテージが共存することは、今後発展が見込まれるトレンドであり、統制委員会とワイナリーが取り組んでいるテーマです。実際、今日では、プロがデザインしたワインリストを備えた多くのレストランで、リアス・バイシャスの異なるヴィンテージのワインを見つけることができます。ソムリエは、特定の料理と組み合わせるワインを勧めるように求められたとき、今日、どのヴィンテージがその料理に、そしてその機会に最も合うかをゲストにアドバイスします。さらに、ここ数年、ワイナリーは、白ワインをステンレスタンクのなかで澱とコンタクトさせて熟成させる(シュール・リー)、樽で醸造する、またはスパークリングワインを作るなど、さまざまなワインの製造方法を選択しています。これらリアス・バイシャスのワインの多くは現在、国内および輸出市場で販売されています。
オ・ロサルやコンダード・ド・テアに見られるような品種のブレンドで構成されたワインには、ロウレイラやトレイシャドゥラなどのサブゾーン固有の品種が含まれます。これらのワインは、軽い酸味で強い芳香を示し、味わいは複雑です。リナロール(バラ)とヘキサノール(植物性)によってもたらされる草の香りと花の香りとともに、独特の風味のニュアンスにおいてこれらの品種の影響を明らかにします。
最近の地元の大学の研究では、アルバリーニョのワインを、芳香族の複雑なワインとして説明しています。それらを特徴付ける多数の因子の中に含まれる主なものは、リンゴ、柑橘類、花(バラ)、熟した果実およびハーブなどです。
D.O.情報(ファクトファイル)
原産地呼称委員会所在地 | Plaza de la Petriera (Edificio Mugartegui), nº10 36002 Pontevedra Pontevedra |
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連絡先 | 電話: +34 986 854 850 e-mail : consejo@doriasbaixas.com |
HP | www.doriasbaixas.com |
ブドウ畑の面積 | 4,077 ha |
ブドウ畑の標高 | 0-300 m |
土壌 | 花崗岩ベースの砂質土壌 |
主要ブドウ品種 | 白ブドウ: アルバリーニョ、ロウレイラ・ブランカ、トレイシャドゥラ、カイーニョ・ブランカ 黒ブドウ: カイーニョ・ティント、エスパデイロ、ロウレイラ・ティンタ、ソウソン |
最大収穫量 | アルバリーニョ12,000 kg/ha カイーニョ・ティント11,000kg/ha その他 12.500kg/ha |
収穫率 | 白ブドウ70%、黒ブドウ72% |
生産量 | 2015:195,709 hl |
※上記文章はFoods & Wines from Spain(英語)(2020年7月現在)およびリアス・バイシャス原産地呼称統制委員会の一部を和訳したものです。
Ribeira Sacra DO / D.O.リベイラ・サクラ
D.O. リベイラ・サクラ
リベイラ・サクラは、スペインで最も景観の美しいブドウ畑が広がる地域の1つです。ブドウの樹は、ガリシア州の緑豊かな田園地帯を蛇行するミーニョ川とシル川が刻む急峻な渓谷の斜面に植えられています。
今日、ステンレスの設備への投資とワイナリーにおける品質管理という新しい波が起こり、この地域で昔から名高い芳香の強い赤ワインにとどまらず、優れた白ワインの生産が促されています。しかし、改革後もなお、この地域のワイン造りが、並外れた職人技によるものであることに変わりはありません。それは、伝統的に、ほぼ有機栽培を行っていることに加え、土地の所有規模が小さいことやワイナリーが農家直営であることを反映しています。
伝説に名高いスパイシーなアマンディのワインは、ミーニョ川から釣り上げられたヤツメウナギと共にローマに運ばれ、皇帝の食卓に饗されたと言われています。
歴史
ブドウ栽培は、他の耕作とともに、ローマ時代に高度な発達を遂げました。これらのワインはシル川の黄金の液体として知られています。その当時、森林の斜面、段々畑での栽培が確立されました。
ローマで最も重要な食事の際によく登場する有名なアマンディのワインが生産されていたのは、ここだと言われています。
ブドウ畑の栽培の推進力となったのは、修道院でした。
実際、ラテン語のRIVOYRA SACRATAに由来するリベイラ・サクラ(聖なる川岸)という名前は、数多くの教会や修道院がこの地域に集中していたことに起因しています。修道士達のおかげで、新しい栽培・醸造技術が導入されました。
何世紀もの間、シル川のほとりでのブドウの栽培は浮き沈みを経験しました。そして、ヨーロッパやスペインの他の地域と同様に、ウドンコ病、ベト病、フィロキセラの病気の侵入により、ブドウ畑は事実上壊滅しました。 このような事態から、土着の黒ブドウ品種のブランセリャオ、アルバレーリョはほとんど姿を消し、接ぎ木をすることにより、メンシアと同様、生産性が高く抵抗力のある他の品種が導入されることになったのです。
20世紀半ばには生産性の高い外来種が登場しますが品質は劣っていました。
20世紀後半に始まった地元のワインフェアにより、品質への関心が高まり商業化に力を注ぐことになります。
1993年にビノ・デ・ラ・ティエラのカテゴリーを取得し、その後、1996年にリベイラ・サクラは正式にDOの認定を受けました。
気候と土壌
ミーニョ渓谷の年間降水量は900 mm、平均気温は14℃です。
シル渓谷の年間降水量は700 mm、平均気温13℃です。
ミーニョ渓谷の土壌は、ガリシア西部全体に多くみられる花崗岩起源の土壌に似ており、砂質とシルト質で通気性と透水性に優れています。シル渓谷は東部の土壌分類に入り、粘土が豊富です。
ブドウ畑
リベイラ・サクラは、約1,250ヘクタールのブドウ畑が広がるワイン生産地で、これはルーゴ県の南とオウレンセ県の北にある、ミーニョ川とシル川流域に位置する20の地方自治体の領域にまたがっています。
これらの自治体は、5つのサブゾーンに分けられ、伝統的に特に優れたワインの生産地として差別化され、ブドウ栽培に従事するエリアは、川岸に位置するものに限られています。
・アマンディ
・チャンタダ
・キロガ-ビベイ
・リベイラス・ド・ミーニョ
・リベイラス・ド・シル
推奨および認定品種
白 推奨品種 ゴデーリョ、アルバリーニョ、ロウレイラ、トレイシャドゥーラ、ドニャ・ブランカ、トロンテス
赤 推奨品種 メンシア、ブランセリャオ、メレンサオ、ソウソン、カイーニョ・ティント、テンプラニーリョ
赤 認可品種 ガルナッチャ・ティントレラ、モウラトン
ワイン
リベイラ・サクラ スム(Summum,ラテン語で「最高」という意味):赤ワインは、少なくとも推奨黒ブドウ品種のひとつを85%使用、メンシア品種は全体の少なくとも60%使用。 白ワインは推奨白ブドウ品種で作られたワイン。
リベイラ・サクラ:赤ワインは、推奨黒ブドウ品種を少なくとも70%使用。スムと呼ぶに必要な分析レベルまたは官能レベルに達していないワインです。
リベイラ・サクラ スムのワインのみが品種を表記できます。 単一の品種が言及される場合、ワインはその品種を少なくとも85%を使用して造られなければなりません。
D.O.情報(ファクトファイル)
原産地呼称委員会所在地 | Comercio 6/8. Monforte de Lemos (Lugo). 27400 |
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連絡先 | 電話: (+34) 982 410 968 e-mail : info@ribeirasacra.org |
HP | https://ribeirasacra.org/portada/es |
ブドウ畑の面積 | 1,258 ha. |
ブドウ畑の標高 | 400-500 m. |
土壌 | 花崗岩、スレート、石灰岩 |
主要ブドウ品種 | 白ブドウ: アルバリーニョ、ドニャ・ブランカ、ゴデーリョ、ロウレイラ、トロンテス、トレイシャドゥーラ 黒ブドウ: メンシア、ブランセリャオ、メレンサオ、カイーニョ、ソウソン、テンプラニーリョ |
最大収穫量 | 白ブドウ 12,000 kg/ha 黒ブドウ 9,500 kg/ha |
収穫率 | 67% |
生産量 | 2015年:35,726 hl |
※上記文章はFoods & Wines from Spain(英語)(2020年5月現在)およびリベイラ・サクラ原産地呼称統制委員会HPの一部を和訳したものです。
Ribeiro D.O. / D.O.リベイロ
DO.リベイロ
リベイロは伝統的な栽培地域であり、1932年に認定されたDOです。今日、この地域は、地元の黒ブドウと白ブドウで個性あふれるワインを造っているおかげで、ルネッサンス期(再生期)を迎えています。
大規模な協同組合と小さなワイナリーの両方において、DOを通じて巨大な投資と計り知れない革新がもたらされていることは明らかです。この地域の特筆すべき点は、コリェイテイロスと呼ばれる多くの小規模独立生産者が、伝統的に自社ブドウを使ってワインを造っていることです。
DOリベイロは、ガリシア州のオウレンセ県の北西端、ミーニョ川、アビア川、およびアルノイア川の渓谷の合流地点にあります。大西洋から45 kmに位置し、ブドウの栽培に適した個性が光る小さな地域です。
歴史
ギリシャの地理学者、歴史家であるエストラボンが、紀元前2世紀にこの地域にブドウ畑があったことをすでに述べていますが、その本当の起源は定かではありません。後のゲルマン民族の侵入は、この地域でのワイン生産を大きく後退させますが、ブドウ栽培が消滅することはありませんでした。
ブドウ畑回復の主な先駆者は、サン・クロディオ修道院のベネディクト会とシトー会の修道士達でしたが、その頃すでに土着品種は存在していました。修道院長のペラジオ・ゴンサレス(12世紀)は、ブドウ畑復活のための偉業について遺書に記し、「サンティアゴへの道」-保護下における地元の商人、イギリス人、オランダ人、アストゥリアス人、バスク人、またユダヤ人商人を通じて、ヨーロッパ各地にリベイロワインの品質の高さを誇示しました。シトー修道会によって建立されたオセイラ修道院とメロン修道院の修道士達は、リベイロのブドウ畑の発展に貢献しています。
リベイロ地域はイスラム教徒の侵略の影響をほとんど受けなかったため、ブドウ栽培はローマ時代から安定的に発展し、15世紀~16世紀にかけて全盛期を迎えることとなりました。この世紀の間に、ワインはリベイロの最大の財産となり、評判も高く、高収穫量で、スペイン全土およびヨーロッパ(フランス、ポルトガル、イタリア、特に英国)各地に輸出されました。 ポンテベドラ港はビーゴ、バイオナ、アコルーニャに並ぶ主要な港であり、馬車でそれらの港に運ばれたワインは、ビスカヤ湾、そしさらにブルターニュ、フランドル、イギリスへと運ばれました。
リベイロのワインはさらに遠くへ達します。
ワインは最初の入植者とともにアメリカに渡り、新世界で味わわれた最初のワインとなったのです。現存する資料によると、1492年、フェロル港で、190レアルするリベイロのワイン127樽が、アメリカ行きの船舶に積み込まれました。それはクリストファー・コロンブスがアメリカを発見したときのことです。
リベイロワインは、19世紀にアメリカから広まった疫病(害虫)がこの地域を壊滅させるまで、ガリシアの最大の財産の1つでした。1853年にウドンコ病が発生、次に1886年にはベト病、そして1890年には3番目の病害となるフィロキセラが発生しました。この時、アメリカ原産のブドウを台木として接ぎ木する必要が生じました。こうして、より抵抗力と生産性の高い外来品種が導入されることになります。
しかし、リベイロは現在、ブドウ畑の改造を通じて、地元のブドウを使うという原点にもどりつつあります。
さらに、ここ数十年で、新しいワイナリーも加わり、技術の進歩とともに、高い品質と土着品種が表現する全てを引き出せるよう目指していきます。
気候
DOリベイロは、温暖な地中海性気候と大西洋の海洋性気候の影響によって湿潤になる緩衝地帯に位置しています。海からの距離が短いため、主な気候の特徴は海洋性気候であるはずですが、西側と北側に連なる山脈が貴重な防壁の役目を果たしています。そのため、ブドウの栽培においては糖度とフェノールの熟度が並行して進み、リンゴ酸より酒石酸が勝るナチュラルな酸が形成されるおかげで、フレッシュでバランスが取れます。また支配的な気流に内陸性の気候が加わり、昼と夜の大きな温度差を引き起こします。これがゆっくりとした熟成という良い作用をもたらし、芳香成分を引き出します。リベイロの3つの渓谷は、主要な川であるミーニョ、アビア、アルノイアの3つによって形成されています。斜面と棚状の畑が織りなす、その自然環境には独特なミクロクリマがあります。風通しがよく、日差しがさんさんと降り注ぎ、リベイロの土着品種の成熟を促す、高品質のワイン造りに適しているのです。ミーニョ川流域にもたらす海の影響により、山腹には、2つの大きく異なる生態系の間で自然な緩衝帯が形成されます。標高が高くなるにつれて西岸海洋性気候の特徴が大きくなります。標高約450メートルが、この地域の品種栽培の限界です。
夏の最高気温:40℃
冬の最低気温:-3 ℃
平均降雨量:900㎜/年
平均日照時間:2,250時間/年
土壌
リベイロの土壌は、3つのタイプに分けられます。ほとんどは、花崗岩質、砂壌土のような感触の土、そして少なめながら、砂壌土に近いシルトで構成されています。また、シスト土壌、ほかにも堆積物でできた、より粘土性の高いテクスチャーの土壌もあります。
リベイロ固有の特徴は、「sabrego」と呼ばれる風化した花崗岩で、とても豊富にあります。DOリベイロの土地の証しともいえる特徴は、ミニフンディスモ(小規模農業)、複雑な地形、ブドウ栽培の伝統技術と言えます。
生産性
DOリベイロにおいて、ブドウ栽培者は、伝統的に常に重要視される存在です。現在、115のワイナリーと「コリェイテイロス(自社畑ブドウのみを使用する生産者)」を合わせて5,500の生産者が登録されており、それがDOリベイロの生産構造を説明しています。
2,500ヘクタールのブドウ畑と平均1,400万キロのブドウ収穫量を誇るリベイロは、その高い多様性と土地の細分化が特徴であり、ワイン造りの遺産でもあります。そして、その景観や土地、人的要因はガリシアの遺産の象徴でもあるのです。伝統は過去の歴史ではありません。それは永遠なのです。
ワインのタイプ
DOリベイロのワインのタイプは5つに分けられます。
・Ribeiro Castes (リベイロ・カステス)
・Ribeiro Barrica (リベイロ・バリッカ)
・Ribeiro Espumoso(リベイロ・エスプモソ)
・Tostado Ribeiro (トスタード・リベイロ)
・Ribeiro (リベイロ)
白ワインと赤ワインを含むリベイロ・カステスは、通常のリベイロとは異なり、100%が推奨品種で造られています。 それらはより品質が高く、産地を代表するものであり、消費者がそれらを区別できるようにラベルに表記されています。 バリッカ、エスプモソ、トスタード・リベイロのカテゴリーも同様に、推奨ブドウのみで造られており、ワイナリーによるラベル、プレゼンテーションによって判別できます。生産量の90%は白ワインに集中しており、赤ワインは9%を占めていますが、トスタードとエスプモソは1%にしか達していません。
白ワイン
リベイロワインは通常、瓶熟成のポテンシャルの高い、若いワインです。 それらは、リベイロ全体の90%を占めています。リベイロの白ワインにおける伝説的な名声と国際的な認知度は、土着品種のブレンド技術と、ブドウ栽培者、セラー、小規模ワイン生産者が行ってきた見事な働きぶりがもたらした成果です。
それらは、優雅さと繊細さの点で傑出しており、熟した果物とフレッシュな果物のアロマ、花、蜂蜜、ハーブ、バルサミコの香りが際立っています。口に含むとバランスの良さ、滑らかさ、繊細さが感じられます。またフレッシュで香りに富み、充分な余韻のある調和の取れたワインです。リベイロの白は、ボトルの中できれいに熟成していくガストロノミックで用途の広いワインです。
・推奨白ブドウ品種
トレイシャドゥーラ、トロンテス、ゴデーリョ、アルバリーニョ、ロウレイラ、ラド、カイーニョ・ブランコ
・認可白ブドウ品種
パロミノ、アルビーリョ
赤ワイン
リベイロの赤ワインは個性的で本格派です。生産量は全体の9%に過ぎませんが、その優れた品質と個性が需要を増加させ、生産量が伸びています。
強く独創的で表現力豊か。赤系と黒系のフルーツの香り、スミレの花の香り、甘草、スパイス、バルサミコのニュアンスが特徴です。タンニンが豊富で、厚み、ストラクチャーがありながら、酸がフレッシュさとバランスを引き立たせます。
・推奨黒ブドウ品種
カイーニョ・ロンゴ、カイーニョ・ブラボ、カイーニョ・ティント、フェロン、ソウソン、メンシア、ブランセリャオ
・認可黒ブドウ品種
ガルナッチャ・ティントレラ、テンプラニーリョ
ビノ・トスタード
リベイロのトスタードワインは自然な甘口ワインです。造り方としては、これに最も適した最良のブドウを選び、屋内で適度に乾燥させ、そこから得た果汁のみを使用します。複雑で人手を要する作業のため生産量は非常に少なく、唯一無二の特徴をもつワイン醸造の珠玉の逸品です。
トレイシャドゥーラ
繊細で滑らかさを特徴とする白ブドウ品種のトレイシャドゥーラは、リベイロのブドウ畑の宝石と言われています。芽吹きも成熟もゆっくりです。そのため高度に敏感で、その栽培は渓谷や向きの良い斜面で行われます。強い生命力と中程度の生産性、最高品質をもたらす可能性を秘めているのは12〜15 Tn/ Haです。干ばつには、あまり強くなく、また温かい土壌が必要です。ウドンコ病やベト病にややかかりやすく、灰色カビ病およびつる割病には非常に影響されやすいです。
リベイロではトレイシャドゥーラの単一品種から造られるワインを見つけることはできます。しかしほとんどはほかの土着品種とブレンドされています。とはいえ、トレイシャドゥーラは中心的な存在です。
このようにして、ブドウ畑からバランスの取れた個性的なワインが生まれ、トレイシャドゥーラが優位のワインは、通常、瓶内で素晴らしい熟成を遂げていきます。
D.O.情報(ファクトファイル)
原産地呼称委員会所在地 | Calle Salgado Moscoso, 11 - 32400 Ribadavia - Ourense - Galicia - |
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連絡先 | 電話: (+34) 988 477 200 e-mail : info@ribeiro.wine |
HP | https://www.ribeiro.wine/ |
ブドウ畑の面積 | 2,350 ha. |
ブドウ畑の標高 | 100-350 m. |
土壌 | 花崗岩質70%、シスト20%、堆積物10% |
主要ブドウ品種 | 白ブドウ: トレイシャドゥーラ、アルバリーニョ、ゴデーリョ、トロンテス、ロウレイラ 黒ブドウ: カイーニョ・ロンゴ、カイーニョ・ティント、カイーニョ・ブラボ、フェロン、ソウソン、ブランセリャオ、メンシア |
最大収穫量 | 13,000 kg/ha |
収穫率 | 70% |
生産量 | 79,470 hl |
※上記文章はFoods & Wines from Spain(英語)(2020年5月現在)およびリベイロ原産地呼称統制委員会HPの一部を和訳したものです。
Valdeorras D.O. / D.O.バルデオラス
DOバルデオラスは、土地固有のブドウであるゴデーリョとメンシアを復活させ、それらの品種から独特のワインを作ることにおいて大きな進歩を遂げました。
DOバルデオラスは、ガリシア地方東部に位置し、シル川によって形作られた渓谷の町の上の斜面に植えられたブドウを守っている山脈を横断する、東西に長く伸びる産地です。
地名は、 黄金の谷という意味で、昔は知られた産地でしたが、この30年間で土地固有の品種、特に白のゴデーリョ、そしてメンシアが復活し、品種の個性を生かした独特のワインの生産において大きな進歩を遂げました。
華々しく登場した新世代の白ワインは、最先端のワイナリーが導入した技術に依っています。バルデオラス・カスタス・ノブレスは、推奨品種を最低85%使って造られる、新しいカテゴリーのワインです。
DOバルデオラス
ワイン産地としてのバルデオラスの伝統は、ローマ帝国の時代にまで遡ります。 地中海と大西洋気候がミックスした微少気候に支えられ、ローマ人はブドウを植え、圧搾機を作り、今日まで続くワイン文化を生み出しました。ワイン生産により地域は発展し、そのワインの美徳は、聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラに向かう巡礼者たちに称賛されました。
以来、ブドウ農家とワイン生産者が行う困難な作業は継続され、1945年にバルデオラスが省令により原産地呼称の認定を受けることで、努力は実を結びました。原産地委員会は、ゴデーリョやメンシアなど土地固有の品種を復活させるという使命を持って誕生しました。その主な目的は、ワインの品質を確保し、生産のコントロールを強化し、プロモーションを促進し、製品のレンジを拡大し、販売するための新しい方法を模索することにあります。
生産地域はシル川、シャレス川、ビベイ川の流域の大部分を占めています。 気候はガリシアの他の地域よりも乾燥しており、大陸性―大西洋の微気候を提供しています。 平均気温は11℃で、年間降水量は850〜1.000 mmです。
土壌は、スレートベースの浅い土壌から、砂が豊富な花崗岩ベースの土壌、石が豊富な段丘堆積物ベースの土壌までさまざまです。 この土壌の多様性により、地域では2つの単一品種のワインがもたらされます。 最も象徴的なのはゴデーリョの白ワインで、フルーティーなアロマと、黄色や金色、麦わら色をしています。 しっかりとしたストラクチャーを持ち、強く、フルボディ、平均アルコール度数は12.5 度です。 最も優れた赤は、メンシアから作られます。濃い紫色、エレガントでフルーティーなアロマがあり、軽やかで美味しく、アルコール度数と酸味のバランスがよく、食欲をそそり、長くてしっかりとした余韻があります。
「カスタ」と呼ばれる認定ブドウ品種は、白ワインの場合、主要なものはゴデーリョ、次いでドーニャ・ブランカ、そしてパロミノ(別名ヘレス)です。黒ブドウは主要なものはメンシアとソウソンですが、ブランセジャオ、メレンサオ、またはマリア・アルドーニャ・、ネグレダ、ガルナチャ・ティントレラ、アリカンテ、テンプラニーリョ、グラオ・ネグロなどもあります。
ワインの生産プロセスにおける長年の徹底的な研究、新しい技術の進歩、製造プロセスの近代化の導入を経て、バルデオラスのワインはスペインで最高のワインの1つであることを誇り、また世界中に輸出されています。
今日、私たちのワインを生産する責任は、規制委員会に登録されたワイナリーにあります。(統制委員会は)土地の本質であるワインの起源と品質を維持し保証するために、伝統と現代性を組み合わせることができる人々で構成されています。
気候
気温:最低 マイナス8度、平均11度、最高33度
降水量:年間850-1,000mm
収穫期の制限:600-800mm
合計日照時間:3月~9月 2,100~2,200時間 、1450時間が最適。
熱効率(アメリン・ウィンクラーによる):1,300~1,500
地中海/大陸性気候(大西洋の影響も受けている)
・寒い冬
・暖かい夏
・穏やかな春と秋
高品質の辛口ワインに理想的な気候で、特に海抜450m以上で最適となります。バルデオラスは、地域全体が海抜300mから700mの高さにあり、ウィンクラーのゾーン1に含まれるため、理想的です。
土壌
以下の土壌で構成されています。
沖積、沖積テラス、鉄土、石灰質、花崗岩-ベース、スレート-ベース
DOバルデオラスには、1300ヘクタールのブドウ畑に多様な土壌があります。
シル川は、東から西にこの地域を横切り、対称的な形の谷を生み出しています。左岸に急な斜面、右岸に緩やかな斜面があり、オ・バルコ、ア・ルア、ビラマルティンの自治区内にあります。
流量が少ない他の川は、シャレス、ビベイ、シギュエニョ、カサイオです。 オ・ボロ、ラロウコ、ルビア、カルバジェダでは、谷を形成するほどではないですがブドウの木を栽培するのに十分な斜面を提供し、ビベイとシャレス両川のほとりに沿ってテラス(段状の畑)を見ることができます。
これらの南向きの土壌は、肥沃すぎず一方水はけがよく、ぶどうの熟成と適度な収穫するための理想的でなものだとみなされています。
ブドウ品種
白ブドウ品種
ゴデーリョ 開花:早い 果実のタイプ:楕円、短形
ドーニャ・ブランカ 開花:遅い 果実のタイプ:球状
パロミノ・フィノ 開花:中間 果実タイプ:楕円
黒ブドウ品種
メンシア 開花:早い 果実のタイプ:楕円、短形
メレンサオ 開花:非常に早い 果実のタイプ:球状
ブランセジャオ 開花:遅い 果実のタイプ:楕円、短形
ソウソンまたはティンタレラ 開花:遅い 果実のタイプ:球状
ガルナッチャ・ティントレラ 開花:遅い 果実のタイプ:球状
ネグレダ 開花:早熟 果実のタイプ:球状
グラオ・ネグロ 開花:中間 果実のタイプ:球状
テンプラニーリョ 開花:中間 果実のタイプ:球状
ワイン
白ワイン
以下の白ブドウ品種で造られる
推奨品種:ゴデーリョ、ロウレイラ、トレイシャドゥーラ、ドーニャ・ブランカ、アルバリーニョ、トロンテス、ラド
認定品種:パロミノ
赤ワイン
以下の黒ブドウで造られる
推奨品種:メンシア、テンプラニーリョ、ブランセジャオ、メレンサオ、ソウソン、カイーニョ・ティント、エスパデイロ、フェロン
認定品種:グラン・ネグロ、ガルナチャ・ティントレラ、モウラトン
発泡性ワイン
伝統的な方法(トラディショナル・メソード)を使用した、85%以上のゴデーリョで造られた発泡性のワイン。
甘口ワイン
自然な甘みのワインで、黒ブドウ品種またはゴデーリョから造られる。
生産管理
上記の赤ワイン、およびバルデオラス、生産が限られているワイナリーのブドウを使用したゴデーリョには以下の等級が存在する
クリアンサ
現在の法律で定められた、樽熟成、クリアンサ、グラン・レセルバの規定に従って、オーク樽で熟成させたすべてのタイプのバルデオラスの赤ワインと白ワインにこのラベルを付けることができます。
バルデオラスの認定ワインのラベル名は以下になります。
白ワイン
赤ワイン
樽熟成
ブドウ樹のサイクル
ブドウは自然と同様に、季節の移り変わりに固有の重要なサイクルを持っています。
バルデオラスでは、気候によって母なる土地(の状態)が決定されます。
剪定
英国式の接木
オメガ式の接ぎ木
緑の剪定
収穫
歴史
ガリシア州オウレンセ県の最も東に位置するバルデオラスは、隣のCyL州レオン県に属すDO Bierzoと接しています。
この地域の地質学的歴史は、その土壌の大部分がスレート、珪岩、片岩で構成されていることを意味しています。 過去25億年にわたり、バルデオラスは数多くの気候変動と氷河期を経て、山岳地帯にその痕跡を残し、独特の自然景観、河川段丘や狭い川の水路を形成してきました。 天然資源の豊かさと土壌の肥沃さにより、バルデオラスは人々が古くから定住するのに理想的な場所でした。 プリニウスはこの地方に古代アストゥリアスの行政地区があり、その首都はアストルガであったと書き残しています。 ローマ人は、現在でも残る、Via Nova(新しい街道)すなわち、第18ローマ街道を建設しました。現在のポルトガルのBragaとスペインのAstorgaを結ぶ重要な街道です。
この街道はバルデオラスを南西から北西に横切っています。これは、峠を越えることなくガリシアに到達する唯一の手段で、冬も通行可能な道でした。したがって、後に巡礼路として、またはウィンター・ウェイとして使用されました。ビベイ川に架かる橋、シガロサの橋の祭壇、キャピタル、石のプラークや、モザイク、彫刻などは、ローマ帝国の遺産の一部を形成しています。これは彼らのエンジニアリングのすべての偉業であり、特にモンテフラドのトンネルの掘削は際立っており、シル川の流れを変えて運んだ金を抽出するというその目的も際立っています。(注釈 この地域には金鉱があった。)
ワイン用のブドウ、ヴィティス・ヴィニフェラスは、ローマ人によってガリシアに持ち込まれた、または少なくとも、栽培を奨励したという一般的な見方があります。 ローマ帝国の崩壊に続いて、スエヴィと西ゴート族が到着しました。さらにイスラム教徒の侵略も受けました。 イベリア半島の政治的および宗教的統一の後、平和と華麗な時期が訪れました。それはまた、バルデオラスにおけるブドウの木の存在についての最初の書面が現れた頃でもありました。この文書は940年10月19日まで遡ります。
17世紀は、1624年の聖域保護区ノサ・スラ・デ・エルミダスの建設という重要なイベントで始まりました。この寺院はビベイ川の渓谷のほとりに位置し、ガリシア地方のバロック美術の最も印象的な例の1つです。それはまた、バルデオラスの人々の精神的な注意を集中させることにおいて重要な役割を果たしました。
ワインは聖域保護区の経済に不可欠であり、ブドウ栽培に200区画以上の土地が与えられました。
19世紀初頭には、フランス軍が侵略した際、いわゆる「ゲリラ化した司祭」が率いて地元の人々が激しい抵抗運動を行い、これらの土地は血に染まりました。
19世紀の終わりに、産業革命と通信の進歩により鉄道がこの地域に到達しました。バルデオラスを通過するパレンシア~ア・コルーニャ線が開通しました。好意的な風が吹きはじめ、ブドウ栽培も好調になり始めました。また、固有品種と適切な技術の組み合わせにより、高品質でしっかりとした骨格の整ったワインが生まれました。
1882年、フィロキセラの被害がバルデオラスのブドウ畑に侵入し、わずか数年で1000ヘクタール以上が破壊されました。しかしこの寄生虫を駆除するための奮闘したのは、ホセ・ニュニェスというバルデオラスの一医師でした。彼はいち早くリオハに行き学びに行きました。感染した株を除去し、汚染されたすべての有機物を燃やして、ヨーロッパの品種や「カスタ=土地の固有品種」をアメリカのブドウ樹に植え付けました。それは膨大な作業でした。しかし結果的にこの地域はブドウ栽培の素晴らしさを取り戻しました。
20世紀は、最初に南アメリカ、その後中央ヨーロッパへの移住により、農村の過疎化が進行し、市民戦争後の景気後退、スレートの工業的抽出、貯水池と水力発電所の建設、などによって特徴付けられました 。長い沈黙ののち、現在の輝かしいワイン産業の隆盛が後に続きます。
今日、この地域はア・ルア、ア・ベイガ、カルバジェダ、ラロウコ、オ・バルコ、オ・ボロ、ペティン、ルビア、ビラマルティンの9つの自治区で構成されています。 ア・ベイガを除いて、すべての地区にブドウ畑があり、この地域に独特の特異性を与えています。 その本質のすべてをボトルに収めたバルデオラスのワインの品質は、スペインワインの基準値の一つとなっており、国内および国際的な関心を呼び起こしています。
D.O.情報(ファクトファイル)
原産地呼称委員会所在地 | Ctra Nacional 120, km 463 32340 Villamartín de Valdeorras Ourense |
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連絡先 | 電話: +34 988-300-295 e-mail : consello@dovaldeorras.com |
HP | www.dovaldeorras.tv |
ブドウ畑の面積 | 1,171 ha. |
ブドウ畑の標高 | 300-700 m. |
土壌 | スレート、花崗岩、粘土、鉄土、珪岩、片岩 |
主要ブドウ品種 | 白ブドウ: ゴデーリョ、ドーニャ・ブランカ、トレイシャドゥーラ、アルバリーニョ、トロンテス、ラド 黒ブドウ: メンシア、メレンサオ、ソウソン、アルバレーリョ、テンプラニーリョ、ブランセジャオ、カイーニョ・ティント、エスパデイロ、フェロン |
最大収穫量 | 10,000 kg/ha |
収穫率 | 72 % |
生産量 | 2015 6,554,798 kg |
※上記文章はFoods & Wines from Spain(英語)(2020年9月現在)およびバルデオラス原産地呼称統制委員会の一部を和訳したものです。